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韓国検察の捜査権が6→2→0に、検察改革の行方

· イシュー

検事が事件送致後に自ら補完捜査を行う、その最後の権限が国会の壁を越えようとしている——この改正が実際に何を変え、何を変えないのかを数字で読み解く。

要点
  • 韓国国会は7月31日、検事の「補完捜査権」を廃止する刑事訴訟法改正案を採決へ。検事は今後、警察に補完捜査を「要求」できるだけになる。
  • 2020年の6類型、2022年の2類型へと縮小してきた20年にわたる捜査権調整の最終段階で、10月2日には設立78年の検察庁廃止と公訴庁・重大犯罪捜査庁の発足に直結する。
  • 李在明大統領が拒否権を行使するかどうか、そして9類型の犯罪を新たに担う重大犯罪捜査庁にどんな牽制装置が設けられるかが次の焦点だ。

何が起きているのか

検事の「補完捜査権」を廃止する刑事訴訟法改正案が、韓国国会本会議の最終関門を越えようとしている。与党「共に民主党」は7月30日午後、本会議にこの改正案を上程し、野党「国民の力」と改革新党は即座にフィリバスター(無制限討論)に入った。国会法の規定により、フィリバスター開始から24時間が経過すれば在籍議員5分の3以上の同意で強制終了できるため、31日午後の採決・可決が有力視されていた。

改正案の骨子は明確だ。これまで検事は事件を受け取った後、自ら追加捜査(補完捜査)を行うことができたが、その権限をなくし、代わりに司法警察官に補完捜査を「要求」できる権限だけを残す。警察は要求を受けた日から1カ月以内に処理しなければならず、必要な場合は1カ月延長できる。要求に従わない捜査官に対して職務排除・交代・懲戒を求める条項、被害者の異議申立権を拡大する条項も併せて盛り込まれた。

なぜ重要か——20年改革の最終ページ

今回の改正は突然現れた法案ではない。検察と警察が捜査権を分け合ってきた経緯を順に見ると、今回の採決がどの位置にあるのかが分かる。

  • 2020〜2021年施行: 刑事訴訟法改正により、警察に一次捜査終結権(不送致決定権)を付与し、検事が警察捜査を指揮する権限を廃止。垂直的な指揮関係から抜け出す最初の一歩だった。
  • 2022年9月施行(いわゆる「検捜完剥」): 検察庁法改正により、検事が直接捜査に着手できる犯罪が6類型(汚職・経済・公職者・選挙・防衛事業・大型惨事)から2類型(汚職・経済)に絞られた。
  • 2026年7月(今回の改正): 残っていた「補完捜査を自ら行う」権限までもが「要求」に変わる。検事が自ら捜査を続ける法的根拠は事実上消える。
  • 2026年10月2日施行予定: 政府組織法改正により、1948年に設立された検察庁そのものが78年ぶりに廃止され、起訴・公訴維持のみを担う公訴庁(PPO)と、汚職・経済・公職者・選挙・防衛事業・大型惨事・薬物・内乱外患・サイバー犯罪など9類型を専担する重大犯罪捜査庁(SCIA)がそれぞれ発足する。

つまり今回の採決は単独の出来事ではなく、「捜査機関としての検察」が「起訴機関としての公訴庁」へと性格を変える、より大きな再編の最後の一片なのだ。

数字で見る

検事が手を出せる範囲がどう縮小してきたのか、そしてその権限がどこへ移ったのかを数字で見ると、構図がはっきりする。

検事の直接捜査範囲 vs 新設捜査機関の担当範囲(犯罪類型数)
検事が直接捜査できる犯罪類型-67%
2020
6
2022
2
新設捜査機関が担当する犯罪類型+50%
2020
6
2026
9
資料:検察庁法改正(2022年、6類型→2類型)、政府組織法改正(2025年公布、重大犯罪捜査庁9類型)——ファイナンシャルニュース、エポックタイムズ・コリア総合

縮小する側と拡大する側を並べて見ると、分かることは一つだ——国家が持つ「直接捜査」という道具そのものが消えるのではなく、その道具を握る手が検察から新設の別機関へと移るだけだということだ。

検事個人の直接捜査範囲は6→2→実質ゼロへと縮小したが、国全体の直接捜査能力そのものが減るわけではない——その権限は10月に発足する重大犯罪捜査庁(9類型)へ移るだけだ。

海外の検察制度と比較すると、韓国の今回の選択がいかに異例かも浮かび上がる。

海外検察の捜査関連権限
1ドイツ——検事は法律上捜査権を持つが自前の捜査人員はほぼおらず、警察捜査を指揮する役割にとどまる("手を持たない頭")
2日本——検事は補充的な捜査権を持つが、警察が開始・進行させた個別事件を具体的に指揮することはできない。市民参加型の「検察審査会」が別途検察を牽制する
3英国——1986年設立の国立起訴局(CPS)により、捜査(警察)と起訴(検察)を分離
4フランス——検事が捜査・訴追に必要な処分を直接指揮する
欧州評議会(CEPEJ)2016年統計:加盟47カ国中39カ国で検察が何らかの形の直接捜査権を保有(時事ジャーナル2022年4月16日付を引用)
資料:時事ジャーナル、SBSニュースの海外検察制度比較報道を総合

「捜査と起訴の分離が世界的な流れ」という与党側の主張とは異なり、欧州の多くの国では検察に何らかの形の捜査関連権限が残されている——今回の改正論争で「国際基準」が具体的に何を指すのか自体が争点となっている理由だ。

論点——「要求権」だけで十分か

同じ改正案をめぐって、立場によって解釈は大きく分かれる。

  • 政府・与党: チョン・ソンホ法務部長官は今回の改正案について「大統領に改めて再議要求権(拒否権)を勧める事案ではないようだ」と述べ、政府として拒否権を検討していないことを示唆した。補完捜査「権」を「要求権」に引き下げることが、捜査と起訴を実質的に分離する最後のピースだという立場だ。
  • 野党(国民の力): チョン・ジョムシク院内代表は補完捜査権について「検察の権力ではなく被害者を守る手段だ」と述べ、改正案が可決されれば李在明大統領が必ず拒否権を行使すべきだと求めた。保守系論客も、警察捜査を牽制する装置が消えることへの懸念を加えた。
  • 法曹界・市民社会: 京郷新聞の報道によれば、新しい「要求権」体制の下では、警察が補完捜査をずさんに処理しても制裁は譴責・警告レベルにとどまる可能性があり、実効性を疑問視する声がある。共に民主党内部でも、この件は正式な党論として採択されたことはないとして、国民・法曹界・市民団体の意見を聞く公聴会を予告した。

結局のところ論点は「検察の権限を減らすかどうか」ではなく、「要求権だけで警察捜査のずさんさを実際に防げるのか」に絞られる。

今後——何を注視すべきか

最も近い変数は、李在明大統領が拒否権を行使するかどうかだ。行使すれば検察改革の勢いが削がれたとの批判を、行使しなければ野党や一部法曹界の反発をそのまま抱えることになる。どちらに転んでも政治的負担は小さくない。

より根本的な試金石は10月2日だ。公訴庁と重大犯罪捜査庁が書類上の分離を超えて実際に互いを牽制しながら機能するかどうかは、両機関が発足した後、実際の事件処理の過程でしか確認できない。特に9類型の犯罪を新たに担う重大犯罪捜査庁に対して、国会・市民社会がどんな牽制装置(長官の任命方式、予算・人事の統制など)を用意するかが、今回の改革が「権限縮小」で終わるのか「権限の再配置」で終わるのかを分ける次の観察点となる。

この記事は上記「出典」に基づく国会・政府資料と報道をもとに、nuloqが独自に分析・作成したもので、AIツールの助けを借りています。法律相談や投資判断の根拠ではなく情報提供を目的としており、内容は執筆時点のものです。状況が変われば改めて確認し訂正します。

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