nuloq
← 記事一覧
イシュー

· 更新 2026-09-11

輸出代金のうちウォン決済は3.4% — この数字は、何を割った値でしょうか

お問い合わせ・訂正依頼

訂正(2026-09-10):韓国銀行が出した元の表で、輸出・輸入の決済通貨の割合をもう一度確認しました。数字を何で割った値なのか、四捨五入をどうしたのかも書き添えました。確認できなかった政策の発表日、直接の引用、施行の断定は削りました。初回公開日は維持します。文章も、中学生が読みやすいように整えました。内容と数字はそのままです(2026-09-11)。

2025年に韓国が受け取った輸出代金のうち、ウォンで決済された分は3.4%でした。この3.4%は、何を基準に割った値でしょうか。ウォンの決済網を新しくつくるという計画とは、どうつなげて読めばよいのでしょうか。

3行まとめ
  • 韓国銀行の2025年の確定統計です。輸出代金のうちウォン決済は3.4%、米ドル決済は84.2%です。輸入は別に数えており、輸入代金のうちウォン決済は6.6%です。
  • 表には、ウォンの輸出割合が2024年2.7%、2025年3.4%と書かれています。ところが韓国銀行が公表した変動幅は0.8%ポイントです。表に見える値は四捨五入した数字なので、二つを分けて考える必要があります。
  • 韓国銀行の年次報告書には、オフショア・ウォン決済システムの日程が書かれています。2026年9月末に試験稼働、2027年に本格運用が目標です。あくまで目標なので、この計画だけでは実際の利用率や為替への影響はわかりません。

3.4%は、韓国の輸出取引額の全体に占める割合です

韓国銀行「2025年 決済通貨別輸出入(確定)」の輸出の表を見てみましょう。税関を通った取引額(通関ベース)を、決済通貨ごとに分けた統計です。通貨ごとに取引額を米ドルに換算してから、割合を出します。2025年の欄には、米ドル84.2%、ユーロ5.9%、ウォン3.4%、円1.9%、人民元1.3%と書かれています。輸出代金の全体を100とすると、そのうち3.4がウォンで決済された、という意味です。

同じ年でも、輸出と輸入は基準が違います
1韓国が受け取った輸出代金 — ウォン3.4%、米ドル84.2%
2韓国が支払った輸入代金 — ウォン6.6%、米ドル79.3%
資料:韓国銀行「2025年 決済通貨別輸出入(確定)」添付p.1。取引額を米ドルに換算して計算した割合で、ここでは二つの通貨だけを取り出しました。

ですから3.4%を「ウォンで取引する企業が3.4%」という意味で読んではいけません。世界全体の決済でウォンが占める割合でもありません。取引額の大きい企業でも小さい企業でも、1社ずつ数えた統計でもありません。輸出のウォン割合と輸入のウォン割合を、そのまま足してはいけません。二つの値を単純に平均して「韓国の貿易全体のウォン割合」と呼ぶのも正しくありません。二つを合わせるには、輸出と輸入それぞれの取引額が必要です。

表では2.7から3.4になったのに、なぜ0.8%ポイントなのでしょうか

同じ表で、ウォンの輸出割合は2024年2.7%、2025年3.4%と書かれています。二つの数字をそのまま引くと0.7%ポイントです。ところが韓国銀行が公表した変動幅は0.8%ポイントです。

間違った数字だと考える前に、資料の最後にある留意事項を読む必要があります。韓国銀行は、数値を小数点第2位で四捨五入したと明らかにしています。そのため、表に見える割合から直接引いた値は、公表した変動幅と違うことがある、と韓国銀行は説明しています。この記事では元の資料の0.8%ポイントをそのまま使い、表示値を引いた0.7%ポイントとは分けて扱います。

四捨五入を説明する、仮の例:実際の値が2.66%と3.44%だとしてみましょう。小数点1桁に縮めると、2.7%と3.4%に見えます。もとの二つの値の差は0.78%ポイントです。これを四捨五入すると0.8%ポイントになります。この数字は、仕組みを見せるためにつくった仮の例です。韓国銀行が公開していない元の値を突き止めたものではありません。

小さな割合どうしで「何倍」や「何%増えた」を計算するときも、同じように気をつける必要があります。小数点1桁までしか見えない値で計算したとしましょう。結果に小数点を何桁つけても、元の資料がより精密になるわけではありません。

決済網をつくる計画と、実際に使われた割合は、別の資料です

韓国銀行の2025年度 年次報告書には、「オフショア・ウォン決済システム(仮称)の構築推進」という項目があります。海外の金融市場が開いている時間帯にも、ウォンの決済を助けるシステムを説明しています。この報告書が書いている日程は、2026年9月末に試験稼働、2027年に本格運用の開始が目標です。

これは、報告書に載った構築計画の説明です。ここから、試験稼働がすでに終わったとは言えません。本格運用が特定の月に確定したとも言えません。参加機関が実際にどれだけ取引したのか、企業が決済通貨を変えたのかも、別に出る運用の資料で確認する必要があります。

しかも、先ほど見た3.4%は2025年の取引を数えた統計です。これを2026年以降のインフラの成果のように使うことはできません。使えるように道を開いておくことと、利用者がその道を実際に選ぶことは、別々に確認することです。

これからは、どの資料を比べればよいでしょうか

  1. 本当に始まったか:計画の発表と、実際の稼働の告知は違います。運用が始まったかどうかは、その機関が後から出す資料で確認します。
  2. どれだけ使われたか:参加機関の数、取引の件数、取引額は、単位がそれぞれ違います。公表されたら、いつからいつまでの、どこまで数えた値なのかも一緒に書き留めます。
  3. 貿易決済の割合:同じ通関ベースで出る、次の年間統計と比べます。前後の数字の単純な差には、政策のほかに、取引の構成が変わった分も混じっている可能性があります。
  4. 原因の判断:決済の割合が変わったという事実だけでは足りません。為替の揺れが小さくなったとか、企業のコストが良くなったとは結論づけません。その問いには、別の資料と分析が必要です。

いま確認した二つの資料で答えられることは、二つです。輸出入の決済にどの通貨がどれだけ使われたか、そして報告書に書かれた決済網の構築目標が何か、です。ロードマップの細かい措置のすべてや、政策の成否、これからの為替の方向は、この数字だけでは判断しません。

出典
  1. 韓国銀行「2025年 決済通貨別輸出入(確定)」 — 2026.04.16。添付PDFのp.1にある輸出・輸入の表と、p.8の統計資料の利用にあたっての留意事項を見ました。確認日2026.09.10。
  2. 韓国銀行 2025年度 年次報告書 — 「オフショア・ウォン決済システム(仮称)の構築推進」の項目。確認日2026.09.10。

韓国銀行が公開した統計表と報告書の範囲を照らし合わせて整理し、つくる過程でAIを使いました。四捨五入を説明した仮の例は、実際の取引の資料ではありません。誤りが確認されたら訂正します。

関連記事

イシュー

ホームプラス債権者集会 — MBKが8年で4.1兆ウォン流出、6日前に消えた1.9兆ウォンの謎

9月2日、ホームプラスの会生計画案を巡る債権者集会が開かれた。MBKが8年で4.1兆ウォンを引き出し、法的整理申請の6日前に1.9兆ウォンの負債を資本に振り替えた経緯と、1万2000人の雇用の行方を読み解く。

#経済#ホームプラス#プライベートエクイティ#企業再生#MBKパートナーズ